今後の日本(2)

前回の「今後の日本(1)」の続きです。

経済成長には「投下労働力」「投下資本」「イノベーションに基づく生産性の向上」をあげました。
そして、前回はこれら3つを基準にして、今の日本の現状を書いていきました。

労働力不足の懸念、資本が投入できない理由、研究開発が進まない要因。
こういった状況で、日本は今後どうやって成長していけばいいのか。
その成長の軸となるのが、日本の軍事産業化だと思っています。

1945年。第二次世界大戦終結
アメリカに敗北した日本は、世界に誇るべき憲法第九条を制定し公布しました。
憲法第九条――
・日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
・前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
――簡単にいえば、戦争はもうしないので武器も兵器もいらないっす!ってこと。

さて、世界各国の軍事費を見てみましょう。
1位・アメリカ(528.7)単位10億ドル
2位・イギリス(59.2)
3位・フランス(53.1)
4位・中国(49.5)
5位・日本(43.7)
参考:AFPbbnews(http://www.afpbb.com/article/politics/2239380/1691328)2007年度
※2010年には、中国が2位、ロシアが5位に。ほかにもインド、ブラジル、南アフリカが大きく増加している。

日本は軍や兵器を持たないのに軍事費においては、世界有数の軍事国家といえる。
これは防衛費と称して、自衛隊や日本駐在のアメリカ軍基地に支払っているお金です。
なので、仕方ないといえば仕方ないですが…
今回は「自衛隊は軍だ!違憲だ!」とか「アメリカは出て行け!」とかいうつもりはなく、
ただ単純にどうしてこうなったのかという背景を説明したくて数字を出しました。

第二次世界大戦後、日本はアメリカによって半ば強制的に平和主義を謳いました。
(戦時、日本の戦闘機は米軍のそれよりも遥かに速く性能が良かったので、それを未来永劫封じたかったという説もある。日本の敗因は敵機を探知するレーダーの弱さで、情報戦に負けたとも)
しかし、1950年に朝鮮戦争が始まると状況は一変。当時、社会主義国家の蔓延と対峙していたアメリカは朝鮮半島社会主義化を恐れて日本に「警察予備隊」を作ることを認めます。これがその後、自衛隊になるのは有名な話ですね。
朝鮮戦争時、戦っていたのは現北朝鮮と現韓国ですが、その背後にアメリカ対中国(ソ連)という図式がありました。
中国やロシアがアジアで権力を握ることをアメリカは極度に嫌がります。大陸を接しないユーラシア大陸アメリカの手中に収めるには、アジアや中東に巨大な敵対国家を造らせてはいけないのです。

そして、2011年現在。
アメリカの危惧する現状として、中国が軍拡を急速に進め始めました。
アメリカは軍事的に抑え込みたい敵国が現れたとき、その周辺の友好国に武器の支援を行うのが通例です。
その現象が今回の場合も起こります。つまり、日本に対して軍事的支援を行うようになると考えられます。
実際に、アメリカはオーストラリアにも米軍基地を建設することにしました。(東南アジア各国はこの動きに批判的)

つまり、アメリカにとって日本の第九条は邪魔でしかないのです。
アメリカは憲法改正を促すと思います。また、戦争を知らない年代が増えた事もあり、将来的には国民の関心も薄れる。
やがて、憲法は改正されて日本は軍事国家の道を歩み始めます。それと同時に、国家の状況に合わない法制度も一気に激変するでしょう(これは希望的予想)。軍事技術はある意味で、門外不出の技術です。海外での生産という選択肢はなく、海外に日本企業が逃げないために、法人税その他は低くなるかもしれません。そうすれば、企業の資本は増加して研究費用へと投入される可能性もあります。雇用も増えて外国人労働者を受け入れざるを得ない状況になることもありえます。

日本はアメリカの圧力で軍事的傾向を強めて、軍事産業で経済成長をする。
その後、さらに成長するために「今後の日本(1)」で述べたような問題は改善されていくだろう。
それによって、もっと日本経済は大きく成長するだろう、というのが僕の意見です。

地政学と歴史、妄想を含めた記事でしたー。