客観的に物事を見る。

社会人の方と話したりビジネス書を読んだりすると、「ビジネスでは、客観的に物事を見ることが大事だ」と言われます。
辞書的な意味では、「主観または主体を離れて独立に存在するさま」「特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま」という表現がされています。そして、ビジネスにおいてもこの意味は変わらないと思います。僕が思うビジネスにおける客観的とは、自分の価値観や感情、「このサービスは〇〇だから成功するに違いない」という決め付けを、思考から一度外してそのものの本質、―つまり実際はどうなのか、世間的な需要はあるのか― を考えることです。

具体的にどういうことなのか自分の体験談も含めて軽く説明を。

まず、震災支援団体の活動として、風化対策のチャリティバンドの販売をしました。
これは立教大学での学園祭にてひとつ300円で販売したのですが、予想以上に売れなかった。
予想以上に売れなかった一番の原因は、支援団体としてずっと活動してきた人とそうでない人との温度差。
震災について問題意識を持ってその学園祭に向けて日々準備してきた人と、大学の学園祭であわよくば異性と仲良くなっちゃおうと企んでる人とでは震災に対するモチベーションが全然違う。もっと言うと、彼らにとってチャリティバンドは学園祭にある売り物のひとつであり、他の団体が売っている食べ物と購買判断の基準は一緒だったのだろう(募金ならするという方が圧倒的に多かった)。
学園祭に来た人達は、数ある選択肢の中(多くの模擬店)からひとつ(チャリティバンド)を選ぶという判断を迫られたわけである。(僕の場合は、チャリティバンドと模擬店の食べ物は完全に別の物だった)
ずっと支援団体で活動してきた人は震災がある意味で身近なので、みんな買ってくれるだろうと思っていた。


そういった立場の違いや価値観の違いをしっかりと考えなければならなかった。
中には震災直後に大金を募金したが今は財政的に厳しいという方もいたし(立場の違い)。
震災支援の為になる素晴らしいチャリティバンドを買ってくれるだろう、と盲信していたのは完全な間違いでした。
(ちなみに、巧みな営業トークや無理やりな押し売りによって700個全て完売しました。大半は女の子の営業力の賜物でしたが笑 そして、収益の全ては陸前高田義援金として送りました)


これをビジネスでいうと、自社のサービスや製品を売ろうとする事と同じ。
しかも、このサービスは自分が開発から製作までずっと関わってきた思い入れのあるサービスだとする。
これだけ優れているのだから売れるに違いない!と確信するだろう。
しかし、その「優れている」という表現は誰にとってだろうか?と考え直す必要がある。
さらには、その他の競合他社。今回でいうと、学園祭で出店している他の出店。
焼きそばやホットドックチュロスなどなど。
客が商品を選べる状況で、ほかの商品が自分の商品にどう影響を与えるのか。
学園祭という場でそういうものを求めているのか、他にも商品がある場で需要はあるのか。

もう少し客観的に物事を見ることが将来的にも重要だな、と思いました。